学問の神様
まず、高校の社会科で、学問の神様、菅原道真が奉られた『湯島天神』を知り、その後、合格祈願の絵馬を奉納するために参拝した方もいることでしょう。そして、境内に入ると、泉鏡花の婦系図で有名な湯島の白梅が、この地で誕生したものであるということも一つの発見です。
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 湯島の文人
昔、石川啄木が朝日新聞社に勤めていた頃、夜勤帰りに上った坂は湯島3丁目と4丁目の間の切通坂であったと文献に残っています。また、湯島に住んでいた作家の久保田万太郎は、昭和30年代、天神女坂のすぐ下に住んでいました。女坂といえば、湯島天満宮の横。現在、脇の坂の景色は、天満宮とマンションが建ち並び、そのコントラストに驚きつつも、その静かなたたずまいに、こんな所に住むのも悪くはないと、昔の文人にでもなった気分で不動産屋をチェック。すると、意外といい物件が。もちろん都心ですから、交通の便は良いし、買い物も便利、緑もそこそこあり、幹線道路から少し入った女坂や男坂の周辺には閑静な賃貸マンションを数多く発見。問題は賃貸料ですが、都下に住んで、往復の時間と交通費などを換算すると、逆にメリットが多いのではないでしょうか。啄木のように夜勤の多い職場勤めの方や、残業の多い方には、職住接近の湯島に住むのも一考ではないかと。
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 さだまさしの 『無縁坂』
歌詞の中で、「しのぶしのばず無縁坂」というフレーズ。坂を下れば不忍の池という意味ですが、当時、歌の坂がこの無縁坂であるということに、何人の方が気付いていたでしょうか。最近になり、ようやくその事実を知ったのは、文京区湯島総合センター4階にある湯島図書館の『ぶんきょうの坂道』という本の中でした。湯島のことを知りたければ、まず、この図書館は押さえておきたいもの。カウンターで「湯島の坂のことが書いてある本はありませんか」と率直にたずねますと、係の方が親切にも、その本のあるコーナーまで連れて行ってくれたのでした。

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 坂の多い街
前回、湯島の夏祭りの取材で、町会の祭り関係者に話を伺う度に出てきた言葉で、「ほら○○坂のところを上がった先」「切り通しのところの○○坂の下だよ」と特定の場所を丁寧に教えてくださるのですが、初めて来た者には、その坂の名称はおろか、場所も、位置関係も定かではないのであります。実際、歩くたびに気が付くことは、その坂道の多いことと言ったら、平地の方が少ないくらいでした。

1. 相生坂(昌平坂)/湯島1丁目4聖堂前 4. 樹木谷坂(地獄谷坂)/湯島1丁目7と10の間
2. 昌平坂(団子坂)/湯島1丁目1と4の間 5. 妻恋坂(大潮坂)/湯島3丁目1と20の間
3. 湯島坂(明神坂・本郷坂)/湯島1丁目2と4の間 6. 新妻恋坂/湯島3丁目1の南側蔵前通り
7. 清水坂/湯島2丁目1と3丁目1の間 14. 樹木谷坂(地獄谷坂)/湯島1丁目7と10の間
8. 横見坂(横根坂)/湯島2丁目7と8の間 15. 妻恋坂(大潮坂)/湯島3丁目1と20の間
9. 立爪坂(芥坂)/湯島3丁目2のうち 16. 新妻恋坂/湯島3丁目1の南側蔵前通り
10. 三組坂/湯島3丁目4と20の間 17. 清水坂/湯島2丁目1と3丁目1の間
11. 相生坂(昌平坂)/湯島1丁目4聖堂前 18. 横見坂(横根坂)/湯島2丁目7と8の間
12. 昌平坂(団子坂)/湯島1丁目1と4の間 19. 立爪坂(芥坂)/湯島3丁目2のうち
13. 湯島坂(明神坂・本郷坂)/湯島1丁目2と4の間  

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 やさしい街
「湯島で女の人が初めてでも入りやすいやさしい店と言ったらどこでしょう」と湯島で10年以上は働いている人に聞きますと、「湯島駅すぐ上にある喫茶店ボンジュール、男坂の手前にあるパール・ドウェなんかもイイよ」とのこと。
◆ボンジュール 
TEL:3832-3049
どこか懐かしい味のオムライスが1番人気、スープ・サラダ・珈琲か紅茶付き850円。モーニング珈琲とトースト付きセット380円。スペシャルランチ830円、納得のボリュームです。
◎2階では、無料パソコンサービス実施中。 インターネット接続、ソフトも充実しています。
←湯島駅真上 『ボンジュール』

◆パール・ドゥエ TEL:3831-4472・3
湯島天神、男坂下近くにあるイタリアン風レストラン&ブティック。女性オーナーシェフのこだわりとセンスの効いた、女性にやさしい居心地のいい店。あくまでも素材にこだわった新鮮な野菜と魚や肉、イタリアから週に一回直送のモッツレラアチーズなどを使ったマダムの創作料理は、身体にもやさしく美味しさ逸品。常連客が多いのもうなづけます。ランチは1200円、2500円・3000円。ディナーはおまかせ料理、二人でハーフボトルが付いて10000円。10名様から貸切も可能。結婚式後のパーティーにもおすすめ。店舗内装は13年間イタリアに住んでいた日本人建築家によるもの。天気の良い日は、お庭で食事を楽しめる。つい長居をしたくなる店です。
◎湯島駅3番出口から歩5分
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 昔馴染みの店
白梅商店会の歴史は古く、昭和30年に商店会を結成、早くも47年。戦災で焼け残った店もありますが、大半は東京大空襲で焼けてしまったとのこと。そして、戦後の復興からずっと頑張ってきた店も数軒、未だ健在。早速、湯島の昔ながらのよさと味わい深い人情の機微もいただきました。

■よろずや 3831-1534
女坂下と天神男坂下に2軒。天神男坂下の店は二代目の小山敏雄さん58歳、築地の魚河岸に40年以上、毎日かかさず仕入れに向かいます。東京都のお刺身コンクールにも優勝した小山さんの目利きと包丁捌きには定評があります。女坂下は三代目の徹さんが切り盛り、銀だらの味噌漬けが旨いと評判。秘蔵の味噌は戦後、小山さんのお母さんが作り上げ、親子三代にわたって伝えたもの。小山さんにカメラを向けると「頭が光ってないかな(笑)。忙しくてすまんね」と笑わせながらも、ねぎらいの言葉がうれしい。「取材するなら豆腐屋だな。裏の河原さん、行ってみな」とのこと。どこまでも親身な方でした。
◎湯島駅3番出口から歩5分。
昔ながらの魚屋さん
『よろづや』

■河原豆腐店 TEL:3831-8902
「よろずやさんに紹介されて」と告げると、「ああ、あの魚屋のおやじね(笑)。なんて言ってた」と長年の付き合いを感じさせる言葉、答えに詰っていると「いいの、いいの(笑)。ここら辺は長い付き合いだし。私で四代目、65歳。えっ、こだわり、んなものはないない」と拍子抜け。しかし、朝は5時前から起きて、仕込みをするその作業工程の数々を少なく見積っても40年以上の長きに渡って続けて来られたわけで、それを軽くいなせる河原さんの飄々とした姿勢に、じーんとくるものがありました。天神様のお土産に鳥がんも180円はここでしか食べられない河原豆腐店オリジナル、豆乳は後味スッキリ。豆腐、がんもは手作りならではの、濃く深い大豆の味が口に広がります。夕飯のおかずにいかがです。
◎湯島駅3番出口から歩5分。
手づくりのおいしさ
『河原豆腐店』

■池田紙文具店 TEL:3832-5666
「コピー1枚15円だと赤字ですが、サービスでやっています」と、メガネの奥の目が、とてもやさしい店主の池田さんです。「ここら辺で、文具店はとうとうウチ一軒のみになってしまいました。かつての勢いはないです。でも、街路灯を付けたりして、商店会の活性化と犯罪防止のためにみんなで頑張ってきましたしね」
少子化の影響で今年は新入生が2人とのこと。小学生の頃、消しゴムなどをちょこちょこ買いに行った記憶、そんな懐かしさを覚える池田紙文具店でした。
◎湯島駅3番出口から歩5分
小学生に戻れる
『池田紙文具店』

■美術茶房「篠」 TEL:3833-7576
「このお店は静かで、落ち着きます」と声を掛けると、「賑やかなのは天神様の行事の時ぐらいで(笑)」とこの店のお嫁さん。「最初は昭和23年に古美術を始め、30年前、お茶もお出しするようになったのです」。男坂の下にある美術茶房『篠』。昔ながらの風情のある店です。自家製しるこ600円、白玉ぜんざい700円、上生菓子付き抹茶850円、湯島天神お参りの際はもちろん、少し人生に疲れたとき、甘味を食べながらこの店でまったりしてみては。
◎湯島駅3番出口から歩5分
ほっとする茶房
『篠』

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